明確な定義は存在しないが、少なくともあるメディアが「漫画」と呼ばれるための十分条件は次の4つであると言ってよい。これらを満たすメディアが漫画と呼ばれる事に違和感はないと思われる。
視覚情報を絵として提示する(文章による説明ではない)。
絵は話の展開を動的に描写し、情報の本質部分を占める(挿絵とは異なる)。
聴覚情報は、人物のセリフは文字として、音は擬音として表現される。ただし、音楽は擬音ではなく絵やコマの行間のようなもので表現される場合が多い。
コマやフキダシなど独特の形式に沿っている。
漫画では、情報伝達に占める絵の重要性がきわめて大きく、情景や人物の動作などはその絵を提示する事で表現される。視覚芸術の一分野に位置づけられるが、一つの画面で完結しない「時間の継起性」において、時間の一瞬を切り取った(近代以降の)絵画とは区別され、一つの画面(フレーム)がコマを指すのか紙面を指すのか不確定なところに、フレームが一つしかない映画との区別がなされる。
一般に「漫画的な絵」という表現があるように、簡略化と誇張は漫画の重要な特徴であるが、写実的な絵によって漫画を描く事も(現状では見られないにせよ)不可能ではない。したがって簡略化と誇張は漫画の定義には含まれないと思われる。
本記事においては漫画と表記されているが、マンガ、まんがと表記される場合、これらの表記は意図的に用いられている場合もある。個々の評論家や研究者によって定義は異なるが、漫画は一コマ漫画のような風刺的なもの、マンガはストーリーをともなうもの、といった区別が見られる場合がある。
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