朝比奈ミクルの冒険ですが
本エピソードの破綻したストーリーや演出については、キョンの独白という形でツッコミ解説が入っており、視聴者に配慮がされている。しかしこの話の真髄は、以下に述べるような「素人が作った実写映画」特有のチープさをあえてアニメで再現した演出にある。これはスタッフの中に学生時代、自作映画を作った者がいたため再現が可能となった、極めて高水準なものである。
撮影機材が、「民生用カメラ+三脚」という単純なものであることを、全編にわたり再現・強調している。カメラの焦点やズームを、カメラ自身の機能に頼りそのまま映像に使っており、ピントが合うまでの独特の間や、ズームアップが異常に速かったりする様子が再現されている。
アニメーション全編で16:9のアスペクト比になってるのに対し、劇中劇「朝比奈ミクルの冒険」のみ"市販のDVカメラで撮影した"という設定のため4:3のスタンダードサイズになっている(テレ玉での本放送時は「演出により…」というテロップが挿入されていた)。
ビームや怪光線の特殊効果は、平面的で前時代的。
カメラの周りで人が歩いたり走ったりした際、その振動が画面に伝わり揺れている(通常は、三脚の下にタイヤを敷いて、このようなミスを防ぐ)。
全員最後までかなりの熱演である。しかし、イツキが画面外(カンペ)に目線をやってしまったり、ユキが窓から外へ消えるはずが、帽子が見切れており窓に写り続ける(窓の外にしゃがんでいることがわかる)など、演技ミスながらそのまま使ったシーンがある。本編のスキのないアクション(?)に比べて、素人特有の演技ミスが目白押しとなっており、両キャラクターのファンにとっては、ある意味お宝映像状態となっている(反面、ミクルは本編に近い)。さらにエキストラとして参加した町の人たちの台詞も棒読みになっている。
「演出・脚本ミス」が数多く存在し、キョンも指摘している。これについては、多くのシーンを脚本順通りに撮影してしまったことにも原因があろう。複数存在するミクルの決め台詞シーンでは、本来終盤に向け徐々に盛り上げるはずが中盤で最高潮に達し、台詞のネタ切れを起こしている(不自然な最終戦の遠因となっている)。池に落ちるシーンは、衣装が台無しになるので本来一番最後にするのに、脚本通り中盤に撮影してしまったため悪役の出番が唐突に終わっている。最終戦も、撮影が上映予定の文化祭の直前になってしまい、苦肉の策として短時間で撮影した映像になっている。
雑誌『ザ・スニーカー』 のインタビューによると、この第1話は「涼宮ハルヒであればどう演出するか」というのを考えて作った物であり、エンディングのスタッフロールに登場する「超監督 涼宮ハルヒ」というクレジットは、あながち冗談でもないと語られている。
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